デザイン思考のワークショップ

COI-NEXT共創の場『ながさきBLUEエコノミー』の活動の一環として,水産物の海外向け流通販売をテーマとした学生ワークショップを午前の部だけ見学しました。KDDIのスタッフの方々がファシリテーターを努め,リーダーの征矢野先生がBLUエコノミー・プロジェクトの目標,構成や海外販売の重要性を説明された後,アイスブレークとして水産加工品を挙げながらの自己紹介,テーブルごとのチーム名の決定と会は滑り出しました。その後学生数名のテーブルごとに『欧州に広がりそうな水産加工品』や『生活の中で食べ物が果たす役割』を付箋に書いて,それらが横軸,縦軸になるようにペタペタと壁に貼った上で,両者がクロスするところで新しい商品が生まれないか議論したり,共感できる面白い意見にシールを貼って投票するプロセスが進みました。

デザイン思考の教科書によく出てくるこのような付箋活用型ワークショップを,私はあまり体験したことがなかったので,形式と進め方の勉強になりました。特に今回用いられた『クリエイティブマトリックス』という方法は,多様なアイディアや意見,方向性をもつ色々な立場の人の集団において,軸となる要素を抽出して合意点を探る意見集約プロセスとして有効な方法であると感じました。

ただ,今回のワークショップは参加者の大半が水産学部の学生であり意見が特定の方向に偏っている上に,最初から『水産加工品』を『欧州に広める』というタスクが課せられ,テーブルごとのファシリテーターもまとめ役として働いていたために,意見を収束させる力が強すぎるようにも感じました。最初にアイディアや意見をふくらませるステージがあった方が良かったかもしれません。