スーパーマーケットで鮮魚直売!?

漁師さんが獲った魚を地元のスーパーマーケットで直売する『スーパー鮮魚直売コーナー』の可能性について,産官学で勉強会を始め,学生たちと長崎県内の直売所を見て回っています。すでに直売所が開設されている平戸市田平のスーパー『エレナ』を学生たちと視察しました。確かに朝10時の開店から,緑色がかった鮮度抜群のマアジや,イサキ,アオリイカ,ヨコスジフエダイなど美味しそうな魚が手頃な価格で並んでいて,思わず私も買いたくなりました。

このエレナ田平店では,広い店舗の半分以上が農産物,水産物の直売コーナーになっています。地域活性化に意欲的な地元の有志が集まって『ひらど旨かもん組合』を立ち上げ,そのメンバーとなった生産者が出品する仕組みを作ることで円滑な供給体制を構築しているようです。説明して下さった店長さんは,地域との交流にとても熱心な方で『人の輪を作って新しいチャレンジをする』ことの大切さを強調されていました。駐車場も店舗もバックヤードも広くて綺麗に整頓されているのも印象的で,漁業者さんが実際魚を搬入する場面も見ることができました。ただし,コンスタントにここへ魚を持ってきてパックしてラベル印刷してショーケースに並べることができるのは,時間に余裕のある漁業者さんに限られる面があるかもしれないと思いました。

本格的な鮮魚直売所である平戸瀬戸市場がすぐ近くにあるのに,今のところうまく共存できていることにも関心しました。これほど大きな直売所を作るのは初期投資のハードルが高すぎますが,だからといって漁協の片隅で不規則に魚を売ってもお客さんは来てくれません。すでに買い物客が集まる状況が整っているスーパーマーケットで漁獲物を直売することにより,地産地消的な美味しい魚の消費と漁師さんの収入拡大につなげるにはどうしたら良いか,これから学生たちと一緒にアイディアを練っていく予定です。