観光魚市場の効果

水産海洋学会で札幌へ行ったついでに,二条市場を見学してきました。長崎は『多種多様な鮮魚が水揚げされるのに,それを見たり買ったり食べたりする場所がない』ことが弱点とされ,その好例として二条市場の名前がしばしば挙げられるため,自分の目で実態を見てみようと思ったのが訪問の理由です。

エリアによってはアメ横並みの人だかりができていましたが,売られているのは,カニ,サケ,ホタテ,イクラにホッケをはじめとした干物などで,水揚げされたばかりの鮮魚はほとんど見当たりません。タラバガニは2万円から4万円,海鮮丼も3千円から5千円といった高価格帯商品が全面に打ち出され,『市民の胃袋』的な市場ではなく,非日常的な別世界を味わう(お財布の紐が緩んだ人のための)観光エンターテイメントスポットに特化していました。

このタイプの観光市場は,活魚鮮魚主体の長崎にはあてはまりにくいと思いました。また,このような商業施設を作るにしても,その営業販売を通じて生産者の経営が改善される仕組みを用意することが大切であると感じました。