腑に落ちる一冊

JST共創の場『ながさきBLUEエコノミー』プロジェクト中の『沿岸漁業の経営構造』に携わっていることから,最近学生たちと一緒に社会経済系の本を読み漁っています。

そんななか目に止まったのがこの本。
田内 学 著
お金のむこうに人がいる:元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた予備知識のいらない経済新入門
https://www.diamond.co.jp/book/9784478113721.html
https://diamond.jp/articles/-/292600

『お金を払うということは,誰かに働いてもらうということ』『消費者が価値判断に自信を持てなくなって価格が一人歩きすると,生産者も消費者も幸せになれない』という説明は,100%水産業にも当てはまります。

 

ただ,問題の根源がどこにあるかはよく理解できるのですが,どうやったら解決できるか…依然それは課題として残ります。平素から考えてきたように,水産学部の卒業生には,魚を収穫する漁業という仕事の内容や穫れた魚の価値を周囲の人々に伝える海のソムリエになってもらわなければ困ります。

この本の投資的な文脈に沿って考えると,SDGs〜脱炭素に関連して『未来を託すことができる企業を増やす』チャンスを,日本政府は明らかに逃しています。これはZ世代,アルファ世代に対する重大な負の遺産(背信行為)です。教育補助費バラマキ政策なんてやってる場合じゃありません。若者が学校を卒業した後に働きたいと思える日本の企業や産業分野を沢山育てることが政府の役割である筈です。

そう考えると,今の私の役割は『地域の未来を託すことができる漁業を増やすこと』になります。微力ですが頑張ります