洋上風力:外国の仕掛けと日本の出遅れ

ネットニュースから,洋上風力をめぐる日本の政府と企業のミスマッチと,そこにつけ込もうとする外国企業に関する解説記事を送ります。

 

「原発45基分を洋上風力で発電」日本政府の大胆な目標に海外勢がヨダレを垂らすワケ

President Online 2021/12/02

https://president.jp/articles/-/52297

 

『イギリスにとって脱炭素分野は、いまや「成長のエンジン」になっている。2020年11月にイギリス政府が発表した経済復興パッケージ(緑の産業革命)は、脱炭素関連産業を成長させることを通じて経済成長を達成し、雇用を生み出し、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させるという内容になっている。』

 

『日本では、少し前には三菱重工、日本製鋼所、日立製作所の三つのメーカーが風力発電機の国内製造を行っていた。しかし、市場の成長が遅れたこともあって順次撤退し、2019年春に日立製作所が製造を終了したことで国産風車メーカーは完全に無くなった。発電に必要不可欠な風車に関しても日本勢は完全撤退している。』

 

英国政府がグリーン産業革命により風力発電を通じて世界経済の覇者に返り咲くために秋冬に政策を練り上げているのに対し,日本政府は2050年の国の経済の基幹をどこに置くかグランドデザインを持たないまま,国際政治の流れからカーボンニュートラルに手を挙げてしまったことを確認できる一般常識的な内容です。

 

先を見ていない政府のポリシーに振り回されて,沿岸漁業の火が消えてしまうことがあってはなりません。洋上風発の導入候補地では,それぞれ2050年の地域のグランドデザインを描き,その絵に風力発電と漁業をどのようにあてはめるか住民一体となって議論することが大切です。