利用と保護のディベート合戦

今年も恒例の3年学生実験で,水産資源の利用と保護に対するディベート合戦を行いました。昨年までは『水産種を絶滅危惧種に指定すべきか/する必要はないか』という論点で,3種を選んで論戦を行いましたが,今年は次の3つの論題について討論を行いました:

 

1)トラフグを絶滅危惧種に指定すべきであるか?

2)ニホンウナギをワシントン条約付属書に掲載して貿易を規制すべきであるか?

3)ミンククジラの商業捕鯨はやっても良いか?やるべきではないか?

 

学生諸君は利用派(水産チーム)と保護派(環境チーム)に別れ,例年以上に熱い論戦を繰り広げました。

 

議論のあとティーチングアシスタント役の大学院生も交えて投票を行い,多数決でクラスとしての判断を決めました。ちなみにその投票結果は以下の通りです:

 

トラフグ;絶滅危惧種に指定する必要はない(28票);指定すべきである(7票)

ウナギ:CITES付属書掲載は不要(11票);付属書IIに掲載すべきである(22票)

クジラ;商業捕鯨により食糧供給と食文化を維持すべき(12票)商業捕鯨はやるべきではない(19票)

 

いずれのテーマも水産チーム,環境チーム双方の学生が問題を深く掘り下げ,熱心に議論してくれて,とても盛り上がりました。単なる資源状態や動物愛護の議論にとどまらず,漁業活動を通じたデータの収集や,食糧としての有用性,経済効果,それらに対する一般市民の認識度など様々な争点が浮かび上がったのがとても印象的でした。水産学部で勉び,令和の時代の水産業を担うであろう学生諸君が,このような模擬論争に前向きに取り組んでくれることをとても頼もしく思います。