漁協の役割

県北部,佐世保市周辺の漁協を3箇所回ってお話を聞いてきました。まずは相浦漁協。ここは漁船漁業を営む沿岸漁業者さんを中心とした組合でした。すぐ近くにある魚市場や道の駅とは直接のやりとりがなく,販売事業もあまり行っていないため,組合員さんの水揚げ量や金額を把握するのは後日提出された操業日誌を見てから,という間接的状況のようです。ただ,事務担当の方々は沿岸の小規模漁業者さんたちがいつまでも漁業を続けられる環境を整えたいという切実な願いを強く持っておられました。

次に訪問した九十九島漁協は,煮干し(いりこ)の生産量が日本一という特徴を持ったところです。煮干しの生産量が徐々に下がってきている中,煮干し漁業の将来を左右するのは,水揚げした魚を選別する『選り子』さんの確保というお話でした。網に入ったイワシ類を,種類やサイズ,痛み具合で選別するのは手作業に頼らざるを得ず,それを担う『選り子』さんをいかに周年雇用して後継者を育てるか,が課題のようです。ちなみにここの直売所で買ったイカナゴの煮干しは,そのまま食べても美味しくて最高でした。

 

その後佐世保市漁協に戻って組合長さんからお話を伺いました。ここの組合長さんは,直接海の状態や市場の動向を把握する仕事よりも,漁業と漁場を守る仕事に専念されている様子でした。長崎県北部の漁協は,近くに位置していてもそれぞれ特徴や運営形態が異なっていて,なかなか複雑であると感じました。