過渡期の資源評価会議

長崎市内で開催された資源評価ブロック会議に,研究室の学生たちと一緒にオブザーバー参加しました。昨年12月の漁業法改正により,これから水産資源の評価・管理の手法が改善されていくので,過渡期の状況を観察する上で興味深い会議です。

TAC対象種のサバ類,スルメイカ,マイワシなどは横浜の会議で全国一括して検討されたため,この会議では,許容漁獲枠を算出するけれども強制力のない魚種が対象となります。

昨年の会議に比べると,資源の増減傾向を評価するCPUE(単位努力量あたり漁獲量)の解析方法が大きく改善されていました。さらに,資源情報が限られる魚種についても,積極的に資源回復を図ろうする議論が前面に出て来た印象を受けました。

ただ,若干残念だったのは,資源の状態と増減傾向を診断して許容漁獲量を設定するところで提案が止まってしまうことです。未成魚と成魚のどちらが海の中に多い少ないといった資源構造の診断や,許容漁獲量の範囲内で,どういう魚の獲り方をするのが持続可能であるか,といった漁業のあり方についての管理アドバイスもあって良いように思います。そのような議論は実際に漁業を営んでいる人や,漁業を管理する人を含めた『利害関係者会議』で今後検討することになっていくのかもしれません。