研究所の見学

卒業研究に向けて私の研究室を訪問した3年生の中から7名を連れて,長崎市郊外にある西海区水産研究所に見学に行ってきました。元々ここは水産庁の研究機関として東シナ海を中心とした日本の西方水域の水産資源や海洋環境の研究に取り組んできた研究所です。今では国立研究開発法人として増養殖や有明海の研究にも力を入れ,クロマグロの陸上飼育施設や,奄美,石垣,五島などの支所を備えています。長崎大学とも包括連携協定を結び,何名かの研究員の方には大学院の教員になってもらっているので,大学との連携,特に学生の交流を活発にしたいと思い,忙しいなか見学の時間を設けてもらいました。

まず大会議室で研究所全体の概要や組織構成,付属施設や調査船について説明を聞いた後,研究室に移動して具体的な研究テーマに関する説明を受け,質疑応答を行いました。その後さらに実験室を案内してもらい,耳石を研磨する装置,耳石日周輪をカウントして長さを計測する装置や,チューブの中に動物プランクトンを流しながら画像を撮影してコンピュータが種類を自動判別するVPR装置などを見学させてもらいました。大学とは雰囲気が違う最前線の水産研究の技術や装置に,多くの人たちが協力して取り組む姿を学生たちは興味深く見入っていました。

大学へ戻る帰り道,2〜3名の学生は『こんな研究所で研究してみたい』と目がハートになっていました。できることなら1〜2年生の頃からこういった刺激を受け,目的を持って大学での勉学に取り組むのが理想ですが,今からでも全然遅くありません。積極的に学外の方々と接して自分を磨き,可能性を拡げていって欲しいと思います。