環黄海フォーラム

韓国の扶餘という百済の古都で開かれた,第4回韓中日環黄海フォーラムに行ってきました。会場はロッテ・リゾートホテル。サミットが開催できそうな立派な施設で,写真がCGに見えてしまうほど凝ったデザインと照明が施されています。

この会議は黄海を取り巻く国々が,共存共栄していくために連携協力することを主眼としています。今回初めて参加したところ,とても大掛かりでありながら,友好的な雰囲気に包まれていることに驚きました。国家レベルでは難しい政治的課題を多数抱える日中韓それに北朝鮮ですが,この会は忠清南道という地方自治体が主催することにより,国家レベルでは問題を抱えていたとしても,地域から共存に向けた協働の動きを作り上げようという趣旨のようです。実際,岡山県奈義町の少子化対策や静岡県の国際交流活動なども紹介され,その他には地域開発や農業のセッションもありました。私は温暖化,漁業,汚染,大河川の流量変化など多くの要因が黄海・東シナ海の生態系に変化をもたらしており,その変化の理解,モニタリング,予測,対策のために科学者レベルの協力が大切であることを発表しました。
今まで韓国といえば漁業管理機関の会議で釜山に行くことばかりで,扶餘を訪れたのは初めての機会です。しかし毎週の会議と授業に追われた強行日程で,会議前夜に到着し翌朝早くに出発するスケジュールだったのは少々残念でした。