プレゼングランプリ

 3年生の実習の中で,プレゼンテーションのコンペティションをやりました。授業の中で英語を使う機会が少ないこと,学会発表などのプレゼンテーションのスキルを身につける機会が少ないこと,について改善する試みです。まず4〜5名の班に分かれて,国際哺乳類学会ホームページの各種紹介のサイトからイルカ・クジラやアザラシを1種を選び,分類,形態,分布,生態,個体群の増減傾向,利用と保全などを分担して英文和訳します。学会ホームページの内容だけでは素っ気なく,日本周辺に関する情報が不足しているので,各班独自取材して面白い内容を付け加え,プレゼンテーションのスライドを作成してもらいました。最後に発表会を行い,受講生一人一人が審査員となって,お互いのプレゼンを評価して最優秀プレゼン賞を選出する,という企画です。必ずしもイルカ・クジラ好きの学生さんばかりではないので,最初はヤラされ感がにじみ出ていましたが,最後は結構盛り上がったように思います。
 盛り上がった理由の一つに,審査方式があります。漠然とした印象からベストを選ぶのではなく,各班の発表をビジュアル(スライドの視覚効果),トーク(話のうまさ),ネタ(独自の面白い内容をどれだけ付け加えているか?),コミュニケーション(司会進行や質疑応答における意思疎通)の4項目に分けて採点してもらいました。私自身,学会でポスター賞審査員などを引き受けて他の人の発表を分析しながら評価すると,自分自身のプレゼンスキルを磨くのにとても役立ちます。研究者の卵である学生の段階から,発表を受け手の目で見て分析的に評価する感覚を養ってもらおうという狙いに,学生さん達が良く反応してくれた演習でした。