魚屋学業?

長崎大学水産学部には,単に海が好き,魚が好きというだけでなく,水産資源や環境の状況や漁業の将来に関心を持っている学生さんが少なくありません。魚料理研究会を立ち上げて,週に2回は魚一匹丸ごと買って自分でおろし,料理方法を習得しようとしている熱心な1年生と話をしているうちに,大学が鮮魚店を出店してはどうだろうか?と思いつきました。学生が対面販売しながらどの季節にはどの地域の魚が旬でおススメであるか,それをどうやって食べたら美味しいか,一般の方々に伝えることができたら,学生もお客さんも得るものが大きい筈です。この夢物語を学生諸君に話したら予想外に乗り気だったので,とりあえず近くの大村湾漁協直販所へ下見に行ってきました。
正面玄関は閉店休業のようにも見えますが,中はしっかり営業中で,茹でたイシガニの試食コーナーまでありました。漁協の方とお話してみると,水産業を広く一般に知ってもらうこと,水産物を食べたい,水産業をやってみたいという人を増やすことにとても熱心で前向きでした。
ここは大学のカッター艇庫がありアクセスが良く,周辺地域も大型商業施設が続々と進出している地の利があります。大村湾は佐世保の近くの狭い水路(針尾の瀬戸)だけで外海とつながる特殊な内湾で,一級品のナマコやカキ,真珠貝,カニ,エビなど特徴ある水産物を産出するところです。しかし,回遊魚などはやって来ないので,対象を湾内に絞ってしまうと,季節ごとの旬の水産物の多様性が限られてしまうのが少々気がかりなところです。